平成21年度

事業計画書

1. 事業計画の背景

昨年度、わが国は世界同時不況の影響を受け、輸出産業の業績悪化をきっかけとして、ほぼ全産業が急激な業績不振に陥りました。その中で、とくに目立ったのが「派遣切り」と言われる現象でありました。この問題は、制度論以前に、労働者自身が環境が変化しても対応できる市場性を保有していなかったことに起因しています。当協会は、企業が雇用吸収力をなくしたとしても、自立して経済活動を営むSOHOの育成が急務と考えます。今後、わが国が不況を乗り越え、安定成長を目指していくためには自ら労働の市場性を開発していく意思をもった働き方である、SOHOの質の向上による経済的自立がますます重要な問題となってきております。当協会は、この日本経済の基盤にかかわる本質的な課題に目を向け、SOHO事業者の市場価値拡大のために役立つ基盤整備を行うべきと考えます。これによって当該SOHO分野を担う公益法人のひとつとして、着実に事業領域を確立してまいります。

20年度は財務体質を安定化させるとともに、SOHO代表者会議の開催やSOHO AWARDSの支援により組織運営のベースを強化することができました。今年度は、これらをもとに従来から懸案事項であった、SOHOディレクトリ、SOHOの認証問題を掘り下げていくとともに、NGNなどの次世代ネットワークの出現によって、SOHOや中小企業の情報通信環境の変化を究明する研究会を行います。これらによる報告書の取りまとめ等を通じ、定款に定めたあるべき姿に向けて、運営の強化を図りたいと考えます。当協会としては将来の公益一般財団法人化を目指して、小回りの利く組織の特徴を生かしながらSOHO分野におけるリーダーシップを発揮するとともに、公益活動の範囲を明確にし、SOHO全体の経済力の向上に寄与していきたいと考えます。

2.協会事業運営の課題と解決方針

平成20年度は当協会にとっての活動ベースを確定させる1年でありました。特にSOHO AWARDSへの協力を通じて、各SOHO支援組織との関係が強化できました。またオープンソースデータベース 「OSSJ=オープンソース・ソフトウェア・ジャパン」をリリースし、IT化を低コストで行う際に参照するポータルサイトの初期版を構築しました。20年度からの継続的なテーマとしては、「OSSJ」への情報登録を増やし、オープンソースポータルサイトとしての確立をはかります。しかしながら、もともと協会の定款に掲げていたSOHOディレクトリやSOHOの認証問題については、協会の体制が不十分であったために検討を中断していました。本年度からはSOHOディレクトリおよびSOHOの認証問題の研究を再開するとともに、ここ数年のうちに予想される、次世代ネットワークを中心とした情報通信のIP化にともなう業務環境の大幅な変化への対応策の研究を行います。これによりSOHOの市場価値拡大のベースとなる本質的な課題解決につなげていけるよう取り組んでまいります。今年度に取り組むテーマは以下の通りであります。

  1. 「OSSJ」の情報蓄積と普及活動
  2. SOHOディレクトリの研究
  3. SOHO認証およびSOHOスキル定義とスキルアップのあり方についての研究
  4. IPネットワーク時代におけるビジネスモデルの研究
  5. 地域再生におけるSOHOのあり方についての情報収集
  6. SOHOの日およびSOHO WEEKSの開催

3.21年度、上記方針に基づく具体的な事業内容

(1) 普及啓発活動
[1] SOHO認証およびSOHOスキル定義とスキルアップのあり方についての研究
SOHOは社会的基盤が脆弱であり、これによって少なからず取引上の不利益を被っている。この問題を解決するために、一定の条件に基づきSOHOの認証を行い、信用の確保を行う。それに際し、一定のSOHOのスキル定義が必要になると思われる。ところが、現状においてSOHOのスキル定義は不明確であり、スキルアップの目標設定や、ステップアップは困難である。これらが明らかになれば、中長期的にSOHOのレベルアップにつながっていくことになる。
[2] SOHOディレクトリの研究
SOHOが一定の認証を受けた場合、認証されたSOHOを登録するディレクトリが必要となる。SOHOとの取引を検討する企業等はディレクトリ上の情報を参照し、取引の参考となるようにする。
[3] IPネットワーク時代におけるICT環境の研究
今後NGNの普及が進展していくとともに、IPv6によるデバイスの開発が今後すすんでくると思われる、しかしながら中小企業やSOHOが生産性を高めるツールとして使いこなすには、経営の実態に即したハードやアプリケーションやサービスの開発が不可欠である。よって、それらの開発に資するために、中小企業やSOHOにとっての好ましいICT環境についての研究を行う。
[4] SOHOの日およびSOHO WEEKSの開催
11月1日に、恒例のSOHOの日とSOHO WEEKSを開催する。
(2) 情報収集・提供
[1] 「OSSJ」の情報蓄積と情報発信
OSSJは、昨年度システム構築を行い、今年度から本格稼動を目指し、情報登録と普及活動を行う。オープンソース・ソフトウェアの代表的なものについては早期に網羅するとともに、他のオープンソース関連団体とも連携し、ユーザーの登録を増やす。これによって、オープンソースソフトウェアの新規登録、および新規ユーザーが登録しやすい環境を作る。
[2] 地域再生におけるSOHOのあり方についての情報収集
大都市とそれ以外の地域の格差は一段と拡大しており、わが国の経済にとって地域の再生は喫緊の課題となっている。SOHOという形態であれば、場所を選ばず業務を行うことが可能であり、また、農繁期は農業を行い、農閑期にはITを活用した仕事をするなどのオールタナティブな働き方が可能となるはずである。このような地域にいながらにして業務に取り組めるモデルについて事例を収集する。

4.運営体制について

低コストの運用体制はほぼ定着してきており、以下体制のもとに21年度の事業計画を着実に推進してまいります。

(1) 理事の責任体制の確立

3.で記載した4つの事業にそれぞれ明確な責任者を決め、それぞれの事業が着実に推進される体制をつくります。

(2) 理事の増員による執行体制の強化

最近の理事の執行体制は、一部の稼動できる理事に業務が集中し、全体としての推進力は十分に発揮できませんでしたが、本年度は業務執行を重点においた理事を増員し、執行力の強化を図ります。

(3) 理事の責任分野に対する事務局の支援

事務局は、全体の事業の進捗を把握し、必要に応じて他の理事への協力を呼びかけるなどの事業ごとの、資源配分の最適化を行います。

(4) 今年度業務執行の責任者とならない理事、および評議員は、理事会、評議員会等において引き続き助言していただくとともに、協会の事業において公募への応募や、広報やネットワーキングなどで協力をいただきます。

以上

平成21年3月
一般財団法人日本SOHO協会

一般財団法人 日本SOHO協会 事務局

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